これは絶対に恋じゃない



悠希の姿が見えなくなった後。



家の中に入ってそうそう、私は玄関近くの廊下でヘナヘナと座り込んでしまった。



び、びっくりした…



未だにバクバクと、鳴り止むことをしらない心臓を落ち着かせようと軽く深呼吸をする。



それにしても、



…あんな悠希…はじめて見た



どちらかといえば、可愛いと思ってた彼の表情があの瞬間、一気に大人びて見えて正直戸惑いを隠せない自分がいた。



なんというか色気…?みたいなのが出てた気がするし…



今、思い出しただけでもカーッと、頬が朱に染まる。




「…明日、どんな顔して会えばいいのよ…」





ポツリとそう呟き、私は、ハァ…と、小さく溜め息をこぼした。



そして、ようやくヨロヨロと立ち上がり、自分の部屋に向かって歩みを進めたのだった。