眠り姫と総長様 II


二人の間に火花が散って見える。


「壱衣、やめろ。雅も挑発に乗るな。
未衣が困っているだろ。馬鹿共。」


言い方は静かだけど、声色が怒っているお爺ちゃん。


「「ちっ……」」


「話を始める。」


二人は正面に座っていて、睨み合いながら話が始まった。


「昨夜、6年前に山崎組から送られてきたスパイの男を殺った。
収穫はあったけど、信憑性に欠けるから今裏取りをさせている。」


「ほぅ……それで。」


「1ヶ月前から未衣と隆斗の周りに被害が広がっている。
その首謀者は組長の山崎寅じゃなくて、若頭の山崎翼。
未衣に惚れたとかで、結婚を迫ってる。」


本当、迷惑極まりない。


最初は湊と別れろから始まって、次は付き合ってくれ。
終いには結婚しろ、だ。


多分、トモヤスがあたしのケー番を流したお陰で迷惑電話が毎日掛かってくる。


「「「あ"ぁ?結婚だぁ!?」」」


………。


「可愛い可愛い俺の孫に求婚だぁ?
クズのくせに……」


「会長、今すぐ潰しに行きましょう。」


「……すぐに組員の準備させます。」



「え、お爺ちゃんもきーくんも壱くんも落ち着いて!」


「「「落ち着いて居られるか!」」」


「今回は口出ししないでと思っていたが無理だな。」


「組長の方はどうでも良いとして、息子の方を殺すか……」


「どうせ死ぬ癖に未衣と結婚してぇとか、許されるわけねぇだろ。
死刑だ、死刑。」