「ひよ、今年こそはリッカにチョコあげるんだよね?」






「え?あげるわけないじゃん!」





昼休み、お弁当を食べてる最中に親友のさゆりが耳を疑うような事をきいてくるもんだから、ついプチトマトをブスリとフォークで強く刺してしまった。





そんな私をみて、一瞬顔を歪めた後、ため息を吐く。




「いつになったら素直になるのかしらね。今日がそのバレンタインだってのに」


「な、っ……うるさぁい!ほっといてよ」





「もう17さいだよ?そんな意地はってると、そのうち誰かにもってかれるよ!まずリッカが特定の女作ってないこと自体不思議だし」




「う‥‥‥‥‥‥」






そう。


私の片思いの相手である、深沢零火は凄くモテる。
ふわふわブラウンのパーマヘアに、クリッとした二重のタレ目、そして高い鼻、桃色のアヒル口。
女の子みたいに可愛いくせに、身長はスラリと高く、スタイルもいい。
話しやすく、誰とでも対等に接するから凄くモテる。


それから。



さゆりと私、そしてリッカは同じマンションのおなじ階にすむ、幼なじみである。


それこそ赤ん坊の時からの。