「てかさ、ずっと言いたかったんだけど」 「なに?」 「バレンタインなんでくれなかったの」 拗ねたように、ぷくっとほおをふくらませて、リッカがそんな可愛いことを言う。 だから全て事情を説明すれば。 「はあ‥‥‥‥‥‥ひよちゃんほんと馬鹿」 「は、はあ?」 相変わらず抱きしめられたまま、少し顔をあげれば、いつもの可愛い顔に少し意地悪な笑みを浮かべたリッカ。 「けどまあ、今年は これもらったからいいけどね」 そう言ってリッカは、 チョコで甘ったるい私の唇に、 優しくキスを落とした。 fin