どす黒い感情が俺を支配していく。

いつかと同じように赤く染まる空が、次第に滲んで見えなくなってきた。



「推薦取り消されて……遠くの無名校に入学して……俺から奪った野球を続けてたってとこ……?」

「……っ」

「……図星かよ……」



ぎゅう、と右肩を掴む。

今でもあのときの痛みを思い出せるのに、コイツは──



「知られなければ、気付かれなければ──それでいいって思ってた?」

「……」

「逆恨みで俺を階段から突き落として肩を壊させたこと……まさか忘れてたわけじゃねえよな……?」

「……」

「俺が苦しんでた3年間……お前はずっと野球を続けてきたんだ……?」