今の俺にはきっと、その答えを導くことは出来ないけど。



「……探してみるよ、生きる意味」

「……!」

「見つけられるかなんてわかんねえけど」

「……」

「……でさ。俺もお前に、頼みがあるんだ」



夕日が沈む。

その瞬間を、目に焼き付けて。

俺は少し、歩み出してみようかと思う。

他の誰でもない、君のために。



だから、どうかお願い。



「もし見つけられたら、そのときは──今度は俺の話を聞いてくれないか」



3年前の、重い記憶。

君になら、きっと打ち明けられる筈だから。



「うん……勿論」



願わくば、ずっと俺の傍にいてほしい。



そんな馬鹿げた想いを抱え、俺は少しの間美生を抱きしめていたんだ。