「また勉強に遅れちゃうなあ。 ただでさえ追いつけてないから、授業落としたくないのに……」



そんな莉子の言葉に胸がぎゅうっとなる。
やっぱり、そのこと気にしてたんだ。



ーー2月下旬。
あと1週間と少しで南高校の受験の日。
授業では、いままでの復習をしてるからかなり身になってる。


復習だから、授業には出なくても平気だけど。

やっぱり、去年とか授業に出れなかったから、復習の授業も莉子にとってはすごく大切なんだ。



「莉子、まだまだ時間はあるからがんばろう!」

「……うん」

「ほら、あたしも春馬に『そんなんじゃ受からない』ってずっと言われてるけど、がんばってるし……! ね?」

「春は意地悪でそう言うこと言ってるだけだよ。 希子は大丈夫」