お願いだから、返して。
「莉子ってだれだよ……」
なにも、聞かないで。
「おまえは、だれ?」
それ以上、なにも言わないで。
なにも、答えたくないの。
「俺がずっと会っていたのは、莉子? じゃあおまえは、なんなの?」
「ちがう……」
「ちがうなら、この手紙の内容はなんなんだよ!?」
「返してよ……」
泣きそうなのを、ぐっとこらえる。
あたしは泣くべきじゃない。
……たぶん。
いや、きっと、泣きたいのは彼だ。
「り、莉子は……あたしのお姉さん」
「双子?」
「うん」
「じゃあ俺が好きだったのは……」
ごくん、とつばを呑み込んで、『莉子だよ』と届かないくらいの声でつぶやく。


