恋日和 〜キミに届かない恋でも〜




「ねえ、覚えてる? 莉子がよく放課後に図書館に行ってたこと」

「あーそうだったね」

「りーちゃん、だれと行ってたの?」



首を傾げてあたしのことを見る、ふたり。


このふたりがどこまで知ってるのかは、わからない。
莉子があたしの名前を名乗っていたことや、悩んでいたこと。



でも伝えるべきだと思って。
あたしは、ふたりにそのことを話した。


あたしが話している間、ふたりは真剣な顔をして小刻みにうなずいてくれた。





「え、じゃあ莉子の好きな人は三吉くんで、希子の好きな人も三吉くん? それで三吉くんは莉子を希子だと思ってて……」

「あたしだめだ! わけわからなくなってきちゃった」



芽依と実鈴は驚いた顔をしたあと、自分のなかで話を整理しようと頭を抱えている。