「つぎ忘れたときは知らないからね!」
「はいはい。 どーも」
ほんっと、相変わらず。
呆れながらため息を吐くと、春馬は意地悪そうに笑って、自分の教室に戻って行った。
あんなのにいちいち切れているのも無駄な感じがしてきた。
そう思って、またひとつため息を吐く。
席に戻ると、スマホをいじっていた三吉くんが、くるりとうしろを振り返ってきた。
この距離ってすごく近いんだよね……。
だから余計に、話しづらい。
「いまの人って、朝一緒に登校してる相手だよな?」
「うん、そうだよ。 幼なじみなの」
「そうなんだ。 あの人と希子、うわさになってるよなー」