だけどすぐに柔らかい笑顔を見せてくれて、胸が高鳴った。


うまく目が合わせられなくて。
声もちょっとだけ震えちゃう。



そしてお昼休みが終わりそうなころ。



「希子!!」



春馬があたしのことを呼ぶ声が聞こえた。



すると三吉くんもまえに向き直って、あたしは教室のうしろのドアのところに立っている春馬のところに行く。



「どうしたの、春馬」

「数学の教科書貸してくんねー?」

「また忘れたの!?」

「ほら、はやく」



忘れたくせになにそのうえからな感じ!!

ちょっといらいらしながら自分の席にいちど戻って、数学の教科書を持ってくる。