ーーキーンコーン。

1限開始のチャイムが鳴ると、三吉くんはまえに向き直った。



あたしは三吉くんに恋をしてる。


……少しだけ。
そう、少しだけ。


それを、認めたい。
この気持ちを大切にしたい。



恋をしていて苦しくなったら、そのときはもう、諦めるから。
そして、莉子を応援するから。


許されるなんて、思ってない。
こんなの、あたしのわがままだ。



そうわかっていても。
あたしは……三吉くんのことを好きになってしまった。


図書館で見たときは、たぶんまだ恋じゃなかった。
恋をしたのはいつだなんて、わからないけれど。



それでも、三吉くんのことを好きって言える。


変って言われるかもしれないけど。
きっと、これがあたしの恋のはじまり。