授業は退屈だ。
勉強は苦手。
どちらかというと体を動かしている方が好きだし。


その中でも、やっぱり私は剣道が好き。


小さいころから慣れ親しんだ剣道。
最近は女らしくなってほしいお父さんがうるさいから大会までは出なくなったけど。

趣味程度にする分には目を瞑ってくれているし。



カツカツとチョークが黒板を叩く音が響く。
そして、皆がペンをノートに走らせる音。

毎日の、当たり前の日常。




でも、なんだろう・・・。




なにかが、物足りない気がする。




佳奈とお昼を食べていても。
体育で体を動かしていてもその物足りなさが消えることはなかった。



むしろ、急かされる感覚が増していく。




もどかしい想いが。
なにか、大切なものをなくしてしまったような――――・・・。




そんな、不思議な感覚。