紅い記憶と廻る時



「え、私それ初耳なんだけど……ナエちゃん、どこ行くの?」


雛梨は場所によって行くか否か決めるらしい。


「ふっふーん、今一部のファンの中で流行りの、このテーマパークだよ!」


表紙に『和(わ)んだーらんど』と筆で書かれたパンフレットをジャジャーンと鼻先に突きつけられる。

次にページが捲られて、太刀を腰に付けた武士が凛々しくカメラ目線で立ってる目次を見せられた。


「飛鳥時代から明治時代までをモチーフにした、遊園地みたいなとこなんだけど、どう?めっちゃ面白そーでしょ!」


へぇ、苗子って意外とこんなレトロなのが好きなのか。

パンフレットを受け取り、パラパラとページを捲ってみる。

……ふーん。面白そうじゃん。


「ここ、忍者体験とか、大正浪漫風のコスプレが出来るコーナーもあるんだよ!良いでしょー?!
あ、ねぇ、藤吾と希一も行く?行くよね?行くでしょ?」


丁度教室に入ってきた藤吾と希一に、詰め寄るように苗子は話しかける。もう殆ど決定事項らしい。断る隙の無い言い方だ。