紅い記憶と廻る時





二時間目は体育だった。

男子と女子は別だから、尾浜や平に体育館の場所を聞けなくてウロウロしていたら、肩を叩かれた。


「男子は……こっち」


ボソリと声を掛けてくれたのは、前髪で両目が隠れた男子だった。

手が完全に隠れる長さのジャージをぶらぶらさせて、方向を示してる。

ヒョロっと背が高くて体つきが細く、なんだかキリンみたい。

確か、平さんを挟んで隣の席の奴。


「あ、ありがと。……えーと、?」

「……黒門 希一(くろかど きいち)……よろしく」

「ああ、よろしく」

「次の体育……剣道……気を付けて」

「気を付けてって、何を?」

「あぁ……大丈夫なのか……いや、怪我しないでねって、意味……」

「?」