そう思った瞬間、かあっと頬が熱くなるのを感じた。

う、嘘…?


初めは、自分の気持ちが、信じられなかった。


だって、一体、いつから…?



今朝、送ってくれた時?

それとも昨日、電話をしてくれた時?




…ううん、違う。






多分、初めて会ったあの瞬間から、千真くんに惹かれてた。




そして…





『お前の夢、俺が叶えてやるよ』




あの一言で、あの一瞬で、
あたしは完全に落ちてしまってたんだ。

自分でも気づかないほど、あっという間に。


そう考えれば、色んなドキドキ、モヤモヤの説明がつく。


でも、ついさっき遥香に、「早すぎる」だなんて言ったばっかりなのに…


「明石、大丈夫?」


俯きながら考え込んでたら、急に声をかけられた。

びっくりしてぱっと顔を上げると、千真くんが心配そうにあたしの顔をのぞき込んでいた。



「顔…真っ赤だぞ?熱でもあるのか?」


「あ、だだだだ、大丈夫、だから…」


驚いたあたしは、ものすごく挙動不審になる。

や、やばい。

そう思って、顔を背けた。


「無理すんなよ。悪いんなら保健室に…」


心配してくれるのはすごく嬉しい。
でも、今は千真くんの顔がどうしても見れない。



「ほんとに!大丈夫だから。」


「ならいいけど…何かあったら言えよな?」


「う、うん。ありがと…」


駄目だ。どうしても意識しちゃう…


「はーい!みんな、席について!出席とるぞ。」

だから、タイミングよく先生が入ってきてくれて、ホッとした。