そこは小さな中庭で、 きれいな芝生が敷いてあった。 真ん中に噴水があり、 その近くに 一本だけ木があった。 その木の下に、 小さい頃の私が 座っていた。 しばらくして、 誰かが近付いてきて、 『私』に 声をかけてきていた。 「ユイ!! 遅くなってごめんな!!」 ロイさんだ……。 明るい茶色の髪が 風に揺れていた。 「本当に遅いよー!!」 私は少し 怒っているようだった。