--------------------- ガリガリ。 ロイさんが壁に 何かを刻んでいた。 「ロイ…?何書いてるの…?」 あの時の会話が よみがえる…。 できれば 思い出したくないのに……。 私の声は 震えていた…。 確かにあの時は すごく寒かった…。 だけど震えていた理由は それじゃない…。 怖かったんだ…。 まだ小さかった私には、 自分の置かれている状況や、 なぜこんなことになったのかとか。 全然わからなかった……。