先生は私から離れ、やっと解放された。 しかしその表情はかなり不満そう。 「何でさん付け?さんはいらないよ」 「……これが精一杯です」 「そっ。ま、いいか。下の名前呼びになっただけでも大進歩だもんね」 先生って、やっぱり意味わからない……。 「これからは下の名前でね。学校では、優先生って呼んでほしい」 「は、はぁ……」 下の名前呼びが定着するのに、時間がかかりそうだなぁ。