白衣の王子様





「でもさ、案外いい機会かもよ?」


「何が?」



クッキーを食べながら琉璃香ちゃんは「ふふっ」と意味あり気に笑った。



「これを機会、男恐怖症を克服しちゃったら?」


「……!!!」


「1つ屋根の下で生活してたら、平気になっちゃうかもよ?」



私は首をブンブンと横に振った。



「ないない!!それは絶対にないよ!!それに私……恐怖症って程じゃないよ。ただ単に苦手ってだけで」




それ以前に、神崎先生は苦手な人種なんだもん。


克服とか絶対無理。