白衣の王子様




「春依ちゃんなら、ずっと来てないよ。多分、体調不良だと思う」


「そっか」



さっきまで、あんなに嬉しかったのに。



どうして?
何で春依ちゃん?
私を見てよ。
春依ちゃんなんかじゃなくて、少しでいいから、私を見てよっ……。



「じゃあさ、春依ちゃんの連絡先教えてくれない?」


「っ……それは、私からは教えられない」


「うーん、それもそうかっ!連絡先は人づてにじゃなくて、本人に直接聞かないとね」



やっぱ宇佐見くんは、春依ちゃんが好きなの?

どうして男子はみんな、あの子を好きになるの?



「おっと、そろそろ戻らないと。じゃあね……えーっと、春依ちゃんのお友達チャン!」


「……」



私の名前、知らないんだ。

あの子の名前は知ってるくせに。

いっつもいっつも、良い思いをするのは春依ちゃんばっかり……。



「……どうしよう」


どうしよう、私。

今、春依ちゃんの事がすごく憎らしい……。