白衣の王子様





「大切な人のために力になってあげたいって思うのは、普通の事だと思うけどな。じゃあ、仕事に行ってくるね。なるべく早く帰ってくるけど、何かあったら連絡してね」


優さんは仕事に行って、残された私は呆然としていた。



大切な人って……。
それは、私の事……?

よくわからないけど、そういうものなの……?



「優さんの考えてる事……やっぱり、よくわからないな……」


その独り言は、静かな空間には妙に響いて聞こえた。



たくさん残してしまったおかゆは鍋に戻して、部屋に戻ってからは、何もせずにベットに寝転がった。



1日1日が、何もしないで終わっていく。

無意味な時間は虚しく経過していくばかり。