お母さんが死んでからは、ただ無意味に時間が流れていった。
瞬く間に葬儀が終わり、私の元に残ったのはお母さんの遺骨。
親戚と呼べる人がいなかったため、葬儀は本当に小規模でひっそりと行われた。
「春依ちゃん、起きてる?一緒に朝ごはん食べない?」
遠慮がちにノックされる部屋のドア。
お母さんの死から数日が経っても、優さんは自分の家に帰る気配はなく、この家に滞在したままいろいろとやってくれている。
どうにか体を起こして、ベットから下りて、部屋のドアを開けた。
「おはよう」
「……おはようございます。あの、お腹空いてないんで」
「一口でいいから、ね?」
あれからご飯がまともに食べられなくなった。
お腹は全然空かない。
食べ物が、飲み込めない。