「ねぇ、神崎先生」 少し、気分が悪くなった。 肩に手を置かれて、鬱陶しいとさえ思った。 だって、町田先生の声が甘ったるいトーンになったような気がしたから。 「もう仕事も終わりですから、一緒にご飯食べに行きましょう?」 「すみません、用事があるので」 食事の誘いを即答で断った。 こうして食事に誘われる事は、わりと頻繁にある。 「え~、またですかぁ?」 町田先生は不満を露わにして、今度はグッと体を近づけてきた。 ほのかに匂ってくる、甘い香水。 それが尚更、不愉快な気持ちを募らせていく。