【優side】


春依ちゃんが気になって、仕事があまり手につかないまま、勤務時間が終わろうとしていた。


「はぁ……」


誰もいない保健室で1人、椅子に背もたれにもたれながら、盛大にため息をついた。

こんなに時間が経つのが遅いと感じたのは、多分初めて。



春依ちゃんから連絡が何もないから、多分何事もないんだろうけど、それでも心配でたまらない。



「僕の前で無理しちゃって……ほんっとに、馬鹿なんだから」


もっと頼ってほしいのに。
無理なんて、しないでほしいのに。



でもこんな時、僕は彼女に何ができるんだろう?