白衣の王子様





気づかなかった。


去って行く私の後ろ姿を見つめながら宇佐見くんが……。




「春依ちゃんかぁ。僕好みの、可愛い子だったなぁ……」


と、呟いていた事なんて。

私には知る由もなかった。