「もー!あの人、かんっぜんに春依ちゃんしか見てなかったよね!?私の事、空気扱いしてたっ」
琉璃香ちゃんはプンプン怒りながら、彼がサービスしてくれたアイスを口いっぱいに頬張った。
「つーか、あんたモテ過ぎっ!」
と、今度はビシッと目の前にスプーンを突き出してきた。
「そ、そう?」
「そうだよっ!!せっかくモテるんだし、そろそろ彼氏作っちゃいなよっ!」
正直なところ、彼氏とか、そういうのはまだ考えられないのが本音。
毎日、それなりに充実してるし。
彼氏を作ろうと思った事も、欲しいと思った事も特にない。
「いい機会だし、経験してみたら?恋愛ってもんを」
「恋愛感情のない相手とは、できないよ。やっぱ恋愛は……自分がビビッときた相手とするのが1番なんじゃないかな」
「真面目ね。でも、ビビッとくる相手なんて、なかなかいないもんよ」