白衣の王子様






「うーん、今のとこ返事は保留中で」



苦笑いしながら。
曖昧に答えた。


そしたら琉璃香ちゃんは「えー」と残念そうな声を出した。




「沢渡くんって、ちょいと春依ちゃんに馴れ馴れしいとこあるけど、なんだかんだ春依ちゃんにメロメロみたいだし……いっそ付き合えば?」



今度は私が「えぇっ!!」と大声を出した。




「簡単に言わないでよっ」


「じゃあ、沢渡くんの事、嫌いなの?」


「……嫌いなわけない。友達としては、好きだよ。ちょっと強引なとこもあるけど」



嫌いじゃない。
友人として好きなのは紛れもない本音。




「だったら、付き合ってみるのもアリなんじゃない?2人、結構お似合いだと思うし、まぁ、沢渡くんになら安心して春依ちゃんを任せられそうだしさ」



任せられそうって……。

琉璃香ちゃんは私の保護者か!と、心の中でつっこんだ。