沢渡くんは「はぁ」と大袈裟にため息をついた。
伏し目がちに私の方を見て、頭をぼりぼりかいた。
「正直さ、俺……結構、大変なんだけど」
「……何が?」
「今の春っち、熱のせいで……なんか色っぽくて、理性保つのすっごい大変なんだけど」
あらら?
今、さらりとすごい事言われた?
「あっ、そういや、今思い出したけど……一緒に住んでるっていう、例の親戚の人ってまだいるの?」
……あ。
そういや優さん、部屋に置き去りのままだ。
1人で大丈夫かなぁ。
「えっと……今は、えっとね」
「歯切れの悪い言い方だな。家に春っち1人って事は、今はもう一緒に住んでないって事でいいんだよな?」
「……うん」
勢いに乗せられて、つい「うん」って言っちゃった。


