そうして龍さんが帰った後あたしの水揚げの相手は龍さんになった。

あたしはなんだか信じられない気持ちのまま次のお座敷に向かった。

次のお客はしつこいと遊女に嫌われているお客であたしも苦手だった。

でもお客はお客だと気を引き締め失礼しますと声をかけお座敷に入ると、

男が刃物を振り回して暴れていた。

「夕霧を殺して俺も死んでやる!!」

と男はいい刃物を振り上げた。