禿の名前は桜といいつい最近この吉原に来たばかりだという。

廓言葉を教えてから何時間かすると桜は大体の廓言葉を使えるようになった。

「朝霧姉さん!!ありがとう!!お陰で助かりんした!!」

廓言葉を使えずに遣り手によく叱られてたのか桜は心底安心していた。

「また何かあったらあたしに言って」

そう言うと桜はありがとうと返事をし、走り去っていった。