春へ
お前がこの手紙を読む頃にはあたしはもう死んでるだろうね。
お前はあたしが憎くて憎くてたまらないだろうね。
でもね、言いたい事があってこの手紙を書いたんだ。
お前を売ったあの日あのあとに借金取りが来たんだ。
借金取りは前から金がないなら娘の臓器を全部売ると脅して来ててね。
あいにくあたしは娘を殺してまで生きたいなんて思うほど人でなしじゃないんだ。
だから借金取りが来る前にお前を吉原に売ったんだ。
だからって許してくれなんて言わない。
ただ…お前には死んで欲しくなかった。
生きてさえいればまた会えるかもなんて思ってたんだ。
謝っても謝りきれないよ。本当にごめんね。
愛してるよ。
最低な母親より