有紗side
さっき、日愛が調理室を出たのを見送ったあと、私も鞄を肩にかけて
プリンの入った箱を持って調理室を出た。
日愛は小学校からの親友。
私は思ったことはなんでも言ってしまうタイプだから、女子にハブられたことがあった。
だけど、小学4年のとき、日愛と同じクラスになって孤立していた私に
話しかけてくれたのが日愛だった。
もちろん、日愛にもいろいろと言ってしまった。
―『同情なら近づくな』とか
『自分いい子でしょみたいな態度ウザイ』―とか。
他の子はそこがダメなところだとか、
ウザイだとか.....まぁ、それが普通だ。
でも、たった一人だけ......日愛だけは違った。
そんな態度をとってしまっても、
―『自分の思ってること、みんなにちゃんと言えるのは私のいいところ』
だとか、
『そんな風に言えるのは羨ましい』―
だとか。
そんな子は日愛が初めてだった。
それからは、ずっと日愛と一緒にいた。
もちろん私は日愛のことがだいすきだ。

