風呂場でのことがあってから鈴ちゃんとはすっかり打ち解けて仲良くなった。
ある日2人で姉さんと自分の朝ごはんを取りに来ていると
遊女たちが騒いでいた。
「じゃあ、桔梗は見世のやつとと心中したんだね…」
その言葉を聞いたら全てを理解した。
桔梗という遊女が見世の男と一緒に死んだ。
鈴ちゃんとあたしは無言で朝ごはんを取って姉さんの待つ部屋へ戻った。
部屋に入ると姉さんはあたしの顔を見て
「何かあったのかい?」
と聞いてきた。あたしはさっき聞いた事を全て話した。
すると姉さんは、
「…そうかい。いいかい千里。あたしたちの世界はね"惚れた腫れたはご法度"の世界だ。遊女と見世のものとの恋愛は決して許されない」
覚えときな。と姉さんはいい朝ごはんを食べ始めた。