後ろから来た人は先ほど花魁道中をしていた、夕霧花魁だった。

「おや!!夕霧じゃあないか!!花魁道中お疲れ様。」

と遣り手のおばさんが声をかけると花魁は、

「えぇ。」

と一言答えてからあたしを見ると遣り手のおばさんに聞いた。

「ねぇ。お菊さん(遣り手のおばさんの名前)この子、あたしの禿にしてくださいな。」

と一言言った。
あたしは遣り手のおばさんの名前はお菊さんなんだと思いながら、禿?ってなんだろうといろんな思いを巡らせていた。

すると、遣り手のお菊さんが驚いたように言った。

「おやっ!?夕霧…あんたが禿にして欲しいなんて言うの初めて聞いたよ!!よほど気に入ったんだねぇ。まぁちょうどあんたんとこには禿いないんだし…じゃあこの子はあんたが育てなっ!!」

と言うことになりあたしは夕霧花魁の禿?になった。