ラスト・バレンタイン



「あの・・・・・・佐伯君」



背中に当たる日差しが温かく、頬に当たる机もどこと無く温かい。


フッと目を開けて、バキッと首を鳴らした。


起きてはうつらうつらとし、寝てしまったかと思えば起きてグラグラ。


それを何度も繰り返している内に、7時限目は終わっていた。


――――ということらしい。



隣に座る彼女は、恥ずかしそうにはにかみながら説明してくれた。


目を擦りながら起き上がり、そういえば、と今朝の事を思い出す。


昇降口、行かなきゃいけなかったな。


思いっきり寝てたじゃん、俺。



「ごめん、寝てた」


「うん、知ってる」