『ゆいりくん…暴れない…で!』

ゆいりくんがノイズを暴走させて2日目。
今日はゆいりくんのノイズが暴れています。

『バインドが解けちゃう!』

ゆいりくん…苦しいのかな…?
ごめんね…
もう少しだけ…我慢してね…

環さんの見立てだと、あと4日もすればゆいりくんはゼロになります。
あと4日…
4日だけ我慢してね…

『ゆいりくんは一人じゃないよ!私がいるから!』

周りの空気がパチパチと音を立ててます。
怖いな…
ゆいりくんが泣いてるのかな…苦しい、痛い、怖い…って…

『私なんかより…ゆいりくんのほうが怖い…よね…』

バインドで抑えてるはずなのに、ノイズは少しずつゆいりくんを蝕んでいきます。
もうゆいりくんの顔も見えません。

バインド越しにノイズが渦巻いているのが伝わってきます。
離せ!離せ!
ゆいりくんがそう言ってるようで、胸が苦しくなります。

でも今バインドを解いたら、きっとゆいりくんは私を飲み込み、次の獲物を探して彷徨うんだと思います。

優しいゆいりくんがそんなこと望むわけがない。
そう自分に言い聞かせて、ゆいりくんを縛り続けるしかありません。

《詩乃ちゃん俺や!》

《どうしたの虎彦さん?》

《いや…その…唯里は…?》

《うん、今日は抵抗が激しくて…》

《詩乃ちゃん一人で大丈夫なんか!?》

《うん…なんとか…》

《俺…なんもできんくてごめんな…》

《大丈夫…私は平気だから…》

《すまん!絶対助ける方法見つけたるから!待っててな!諦めたらアカンで!?》

《うん…ありがとう…》

『虎彦さんはこんな時でも賑やかだね…私もあんな風にゆいりくんを元気にしてあげたかったな…』

あと4日…

あと4日の辛抱だよ…