熱い。
全身が燃えるように。
燃える?
違う。
焼かれるように熱い。
「はぁ……はぁ………」
苦しい。
息が上手く吸えない。
どう、なってるの_______?
*
「サハル。あの娘の様子はどうだ?」
「未だに熱はひきません。命に、別状はないようですが……」
サラサラと書面に書き付けていた手を止めて、青年はサハルを見た。
本当だろうな、と青年の瞳が言う。
サハルは長い付き合いだから分かる。
自分の主人は口よりも目で物を言う。
青い瞳は、闊達に喋るのだ。
「……様子を見に行く」
心配性のご主人の様子見は、今日だけでもかれこれ5度目。
まぁ確かに、拾ってから1度も目を覚ましていないから心配なのは分かる。
「では私も………ああ、分かりました。結構ですね」
サハルは苦笑を浮かべて主人を見送った。


