そのまま幼い子をあやすように、ぽんぽんとお腹を叩く。 穏やかな寝息を立てて眠る沙羅を、ハールーンは優しい目で見ていた。 まるで、サラは小動物のようだった。 小さくて可愛らしい。 守ってあげたくなるような。 「不思議な娘だ」 こちらに全く警戒心を抱かせない。 先ほど、娘は東洋から来たと言ったが。 一体東洋のどこなのだろう。 それに、親はさぞかし心配してるのではないだろうか。 「まあ、この様子では問題はなさそうですな。今はゆっくり寝かすことが、1番の薬でしょう」