菊が手術室から運ばれた。 俺はそれを見つめ、柚樹に託した。 「おい、菊を頼んだぞ」 「えっ?どこに…」 「もう1度やり直すための物を取りに行ってくる」 「……早めにね」 「わかってる」 柚樹がいい奴でよかった。 そう思って、病院から駆け出した。