次に、

荷物を取りに行くと言って

出ていった二人。


名前の呼び方などで

話している時もだ。


あの可愛らしい表情。

誰から見ても

「恋する乙女」ってやつの顔だ。



美雪の火照った顔、

熱い視線、

全部、全部、羨ましかった。



それを俺に向けて欲しい。

何度も願った。


でも、それと同時に

「俺じゃ幸せにできないんだ」

そう思ったんだ。



そう考えると

すごく虚しくなった。

胸が苦しかった。


いっそのこと、消えてしまいたい。

そうも思ってしまった。



だから俺は、こう決めたんだ。


美雪は妹。大切な大切な妹だ。

一番じゃなくてもいいから

近くで支えてやりたい。



そして、誰よりも

一番に幸せになることを願うんだ。



そう、これでいいんだ。

これが俺の選択だ。

きっと間違ってない。


正解なんてもんこの世にはないけど


この俺の選択は、

間違っていないだろう。



幸せになってくれ、美雪。