裸足のプリンセス




唯斗「あの…女の子苦手なりーくんが…」


そう、こいつは僕のことを

りーくんと呼ぶ。



『そんなことはどうでもいいだろ。

テラスに戻って
質問攻めにされて
全てを答える時間なんてないから
今ここで言う。』



唯斗「え?あ、うん!」



『彼女の顔色が悪くて、
今にでも倒れてしまいそうだったから
連れていった。

…それだけだ。』



まだ詳しくは話せない。


『詳細は…いつかきっと、必ず』



察しの良い彼はきっと

感じ取ってくれただろう。



僕の目を見つめて

力いっぱい頷く唯斗。




『じゃ、僕は戻るよ』


唯斗「あ、待って!!」


引き止める唯斗。


振り返ると、

口元に両手をあて、

メガホンの様にし、



唯斗「美雪ちゃんをー!!

ゆっくり休ませてあげてー!!!

みんなには、
僕からちゃんと言っとくからぁー!」



僕は頷いて

その場を後にする。