美雪「あの…ありがとうございました」
弱々しい声で彼女は言う。
僕は
礼を言うことではない。
と言う意味を込めて
首を左右に振る。
そして僕は
『僕らは…キミを待ってたんだ』
と告げる。
固まる彼女。
彼女の頬に手を添え、
『……大丈夫?』
と、聞く。
すると彼女は、
少しの間をあけ、
急に頬を紅色に染めだす。
熱でもあるのか?
そう心配になったが…
美雪「は、はい…」
と言った。
だから、僕は彼女の言葉を信じ、
「そう…」
と、短く返事する。
無理や気を使って
嘘をついているかもしれない…
が、
彼女の真っ直ぐな瞳には
嘘がないと思い
少しホッとした。

