今日僕は魔女を拾いました

さゆりはクスクス笑ってこういった。

「ご主人様、私は魔女ですよ。
私の居場所くらい水晶玉１コでながめられるって思わないんですか？」


「はっ・・・！
そ、そっか。その手があったね。
だけど・・・だったら君のご家族は余計に心配するんじゃないか？
僕のような一人暮らしの男の家なんてさ。」


「いいえ・・・ちょっと事情があっていいんです。
あの、でもご主人様の彼女さんが私の存在がどうしても気になるとおっしゃるなら、しばらくしたらここを出ていきますから。」


「いないよ。
水晶玉１コでながめられるのに僕の身辺はわからない？」


「い、いえ・・・。そういうことはながめてはいけないと思ったので。」


「プライベートなことには立ち入りたくないってことかな？
でもさ、僕も垢ぬけないヤツだけど男だから、いくらサイズがちっちゃくなっているからって女性がいると思うとね・・・生理的な現象もいろいろとあるしさ・・・。」


「置いてはもらえないってことですよね。
じゃ、このミニハウスを庭にでも置いてください。

私はそこで暮らしますから。」


「ええっ！！でも庭なんて、誰に見られるかわかったもんじゃないだろ？」


「魔法が使えるならさ、親戚とか魔法使いの友達とかいないのかい？
そっちへ行けばいいじゃない。」


「嫌です！ご主人様のおそばにいないと、私の目的は果たせないから・・・。」


「君の目的って何だい？
それを教えてくれたら、いい方法もあると思うけど。」


「ダメです。まだ言えません・・・。
言ったら、私は死んでしまいます。」


「なっ！？
どうしてそうなるのさ・・・。」


「神様との約束なんです。
だから、聞かないで・・・。」


「そっか・・・。
命がけで僕に接触してきた重要な任務があるってことなんだね。

わかった。
じゃ、うちに居ればいいよ。
ただし、君の目的が果たされたらここから出ていくこと。

いいかな？
約束できる？」


「はい、それなら約束できます。」



何か意味ありげな魔女っ子を同居させることにした博仁だった。