「わかったかな?」 「……」 「……七乃、返事をしなさい。わかりましたか?」 「は、い」 顔はにこやかなのに、目が笑ってない。 それが怖くて。 渋々頷くしかなかった。 「わかればよろしい。この話は終わりね」 彼が私から離れてホッとした。 「七乃」 「はっはいっ」 名前を呼ばれ、無意識に体がビクッと跳ねた。 「ちょっと、怖がらせちゃったかな……?ごめんな」 申し訳なさそうな顔をして謝る姿を見たら、少しだが恐怖心が和らいだ。