愛と哀






「ちょっ……ヤダっ!!やめてっ……」



突然過ぎる事態に頭がついてこれない。



両手で胸板をトントン叩くも何故か力が出ない。


そして意味もなく足をジタバタさせた。






しばらくして唇を離した彼は「よし」と満足そうに笑った。



「よかった。綺麗に付いて」


「……え?」


「後で鏡、確認しといてよ?」



何の事かチンプンカンプン。

やっぱり……怒ってる?



「で、どうして無断外出したのかな?」

……やっぱ怒ってる。