「どう、して……私なの……?」



恐る恐る彼の方を見ると、目が合った。

そして優しく微笑んだ。





「七乃の事、前から気になってたから」


「えっ」


「誰とも付き合わず、いつも1人で行動。自分の世界をしっかり持って、何でも自分のペースで行動する意思の強い人。俺は秘かに七乃を尊敬してた」



あり得ない。


そんなの、滑稽だよ。




春田くんは私を美化し過ぎ。
私は強くない。
尊敬されるような人間じゃない。






「それに、七乃は優しいね。あの時、優しく声をかけてくれた」


「あ、教科書を……拾った時?」


「そっ」