山の夜だからか、外は少々肌寒かった。 街頭もないわけだから、暗い。 暗くて……すごく不気味。 「暗いから足元、気を付けて。少しだけその辺ブラブラしようか」 「うん……」 珍しいな。 夜の散歩なんて。 もしかして、私に気を使ってくれた? 「静か、だね……」 周りにあるのは木ばっかり。 森しかないここは、とても静かだった。 「そりゃそうだよ。この辺には俺らしかいないんだから」