愛と哀







「母親は俺に見向きもしないし、学校では外見だけで寄ってくるような女ばっか。おまけに男は俺に冷たいし……」



急に弱々しくなった彼を見て、何故だか胸が締め付けられた。


同情してるのかな?



わからないけど、胸が苦しい。






「外れたよ……七乃ちゃん」


気がついたら、私を捕える首輪が外れていた。


自由になった。

拘束してたモノが解かれた。





「夕麻……言っとくけど、お前がした事は許される事じゃない。警察に通報するから」


玲央さんは携帯を取り出して、電話をし始めた。