愛と哀








私の反応に春田くんはあからさまに不機嫌に顔を歪めた。





「夕麻、七乃ちゃんが迷惑してるだろ?独りよがりな愛情を注ぐのはやめろ」


玲央さんが強めの口調でそう言った。



「大丈夫……?」と心配そうな顔をしながら私の首輪に手をかけた。





「……お前に何がわかるわけ?」


ボーっと佇みながら、春田くんは冷たく呟いた。





「何がだよ」


「お前はいいじゃん!!愛情をたっぷりもらって育ったんだろ?」


「でも、俺は……」


「血が繋がってなくても、愛情をもらえるだけいいだろっ……!!」



玲央さんは寂しそうな表情をしながら「そう、かもな」と言った。